【再掲】精神科看護師の意見書(追記有)

change.org署名サイト


実は、ビデオは2012年1月1日~1月3日分まであります。
当然、事件当日1月1日16時頃(事件当時)以前の様子も数時間分あります。
その映像を、現役の看護師さんに見ていただいた意見書を以前掲載しましたが、改めてその時の様子を転載いたします。




4.問題となっている行為について

本件行為については、保護室に設置されていた監視カメラの映像をダビングした映像を拝見しました。


(1)カメラから認められる内容
時系列で見ると、まず、長時間にわたり、◯◯さんがうずくまっていることが認められます。その間、動き回るわけでもなく、叫んでいるようにもみえず、精神症状としての「不穏」「多動」や「衝動性」は、見られていません。
その後、16:08に4名の看護師が保護室に入り、食事介助を行った後に2名が退出します。16:12には、2名の男性看護師がオシメを装着し、その後16:13には、ズボンをあげようとして◯◯さんが足をばたつかせていることが認められます。
そして、16:14に、背の高い男性看護師が◯◯さんの頭を二回踏みつけていることが確認できます。
頭部を踏みつけられた後、◯◯さんは首に手を回して、頸部を抑えています。その後、もう一人の男性看護師が上半身を押さえつけ、背の高い男性看護師がオシメを交換しています。その際、上半身を押さえた男性看護師が膝あるいは下腿部で◯◯さんの頭部を押さえつけて動きを制限させているように見えます。





(2)看護師としての意見
ア.食事介助・オシメ交換について
坐ることのできる人を、あえて寝かせたまま食事をとらせることは通常ありえません。臥位での食事は誤嚥のリスクが大きく、誤嚥性肺炎を引き起こしやすいからです。座位がとれない患者さんには、ベッドをギャッジアップして頭部を高くするなどして、できるだけ座位に近い姿勢で食事をとってもらいます。さらに、マットも布団も敷かずに、寝かせて流動食品で食事を介助するなど、患者へのケアと言えず、家畜への強制食餌の様です。また、寝かせたままでの食事介助と並行して、オシメの交換を行っています。これは患者にとってはトイレで食事を強制されることとかわりありません。ケアでは食事と排泄の介助は時間をずらすか、場所を変えておこないます。
通常、オシメの交換はベッドの上で、ベッドを使用していなければマット、布団の上で行います。床の上に直接寝かせて食事をとらせる、オシメの交換をすることは、患者に背部及び患部である頸部の痛みを伴うとともに、非人間的な取り扱いをされたことで、患者に屈辱感を与えるものであり、看護行為として極めて不適切な行為です。患者の尊厳を配慮しない病院スタッフの姿勢がみてとれます。
患者が、オシメ交換、食事介助のケアに際して、不安や恐怖感が強くなっている、あるいは興奮しやすい場合にには、まず、見下ろすような位置関係は避けて、低く、できるだけ同じか、より低い視線の高さで、やさしい口調でこれからケアする内容、その必要性を説明し了解を求めるようにします。抵抗がなければ押さえつける必要はありません。
どうしても身体を抑える必要があるなら、安全に抑えられるだけの看護の人手を集めます。頸部、頭部は避け、上肢や肩、下肢を握ることで対応します。先述したCVPPPの手法では、頭部は必ずスタッフの手で保持します。足では保持が不確実でありかえって危険です。また屈辱感を与えやすく、強い抵抗を引きだしやすいものです。患者が起き上がって抵抗が強い場合は、ケアの説明をしながら理解と同意を求め、手を握り、肩を手で押さえるなどして、不安感を与えず、安楽にオシメ交換が可能な姿勢を確保するのが当然です。
保護室のモニター上では◯◯さんは、長時間にわたって、じっとしゃがみ込んでおり、歩き回る、壁や寝具を蹴るなどの行為は見られず、不穏状態にはみえません。このように、抵抗もしていない患者さんに対し、寝具やマットの上に寝かさず一方的な食事介助、押さえつけてのオシメ交換は不適切であると言わざるを得ません。
ましてや◯◯さんの場合には、頸部ジストニアがあり、(普段頸部を起こすことは、頸部の神経根を圧迫して強い苦痛を与えることが考えられます。このような場合には、枕を頭部下に充てるなどして負担の軽減をはかるのが通常です。


イ.保護室での処遇について

保護室は、隔離された空間で、看護の目が行き届きにくい場ですから、定期的な見守りが必要です。観察頻度については、多くの病院で標準となりつつある病院機能評価では「隔離1時間に1回、拘束1時間に4回」とされています。④
さらに、観察者には結果予測義務や危険回避義務があります。
行動制限の基準を規定した昭和63年4月8日厚生省告示第130号 ⑤ では、隔離については「定期的な会話等による注意深い臨床的観察と適当な医療および保護が確保されていなければならないものとする」と示されています。
しかし、保護室の映像を見てみると食事・与薬・オシメ介助以外は、看護師の入室はなく、放置されている状態にみえます。
看護記録上も、9時30分、13時30分、16時と3回しか見回りの記録が残されておらず、検温、血圧測定も認められません。※注1
近づけない程の興奮状態でもないのに、入室しての声がけや、検温、血圧測定も見られないのは、不適切な処遇と言わざるをえません。
隔離は、昭和63年4月8日厚生省告示第130号においても、WHO世界保健機関精神保健ケア法10原則 ⑥ においても、「他に代替手段のない時の最後の方策」です。すなわち、隔離・身体拘束の患者さんは、精神科的には最重症なのです。注意深く、暖かいケアが必要です。
常時動き回り大声を上げて暴力的であるとはとても見えない◯◯さんに対して、放置して声もかけない、というのは不適切です。もしも一人で対応が難しいというのならば、複数看護師で入室すればよいのですから。食事、投薬、オシメ交換以外に、入室せず、マットを敷かず、布団もかけないというのは、放置状態であり、看護としては虐待といってもよいでしょう。
これらからすると、◯◯さんの隔離中の看護は適切なものではないことがわかります。
結論として、◯◯さんの頭部を「足で押さえた」という行為は、看護ケア(患者の抑制行為)としては全く必要がなく、むしろ患者に危害を与えるリスクの高いものであり、また、患者の尊厳・人格を侵害する態様のものであって、極めて不適切な行為であると言わざるを得ません。
精神科病棟内であっても、このような行為が許されるわけはなく、患者に対する安全配慮義務の観点(「医療職のための包括的暴力防止プログラム」P.42)から問題があることは言うまでもありません。さらに言えば、患者の頭部が前屈した状態で固定化していることを認識した上で上部から圧力を加えているのですから、明白に患者虐待、暴力事件であり、傷害罪にあたるものです。
本件のような行為が、仮に「患者の粗暴性ゆえに行われたものである」とすれば、それは従順にケアを受けないことに対する報復的暴力です。
対応の困難な患者に、日々誠実に向かい合っている医療従事者としての立場からしてみればそのような行為まで看護行為と言われることは、看護に対する侮辱であり承服できるものではありません。

病院での看護師の役割は患者さんの苦痛の軽減と回復を助け、権利と尊厳を守り、安心して受けることのできるケアを提供することです。
看護においては、患者さんの安全と安心感に配慮して、大切にされていると感じられるケアの姿勢が重要です。
なによりも、追い詰められた心境や精神状態にある患者さんに対しては、「あなたの味方になりますよ、助けに来ましたよ」という姿勢とメッセージを伝えることが肝心です。(包括的暴力防止プログラムP.28)
チームでの身体介入アプローチでは、なによりも「患者の尊厳」を保つこと、プライドを傷つけないことが重視されます。
これは、ケアを提供する者として、非常に重要な姿勢です。
スタッフが暴力に暴力をもって対応したり、怒りに怒りをもって応ずれば患者に「報復」と受け取られ、患者の再攻撃を刺激してしまうおそれがあります。看護師は治療のため、暴力的な場面で自らが興奮することを戒めなければなりません(「第一に専門職が暴力の被害者にならないために、そして第二に、暴力に過剰に反応することによって専門職側も暴力の主体となってしまう危険性がある」医療職のための包括的プログラムP.11と38参照)
患者が看護ケアへの抵抗などによって陰性感情を持っていた場合でも、その看護者自身の感情をコントロールして、患者さんに対して安全と尊厳を守った看護ケアを提供するのが、看護師の役割です。
精神病者の保護室及び精神保健ケアの改善に関する国連決議(1991年) ⑦ においても、「全ての患者は、不適切な投薬を含む危害、他の患者、スタッフもしくは他人による虐待又は精神的苦痛もしくは身体的不快をもたらず他の行為から保護される」「全ての患者は、最も制限の少ない環境で、最も制限の少ないもしくは最も侵襲的でない治療によって、自己の健康的ニーズ及び他人の身体的安全を護るニーズに適うよう処遇される権利を有する」との決議が採択されています。
急性期・慢性期にある患者が治療の意味を理解できずに医療従事者に対して抵抗を示すことはままることであり、医療現場での患者からの暴力及びそれにどのように対応するかは医療従事者の重大な課題です。1999年の国際看護師協会では、職場における暴力対策のガイドラインが策定され、社団法人日本看護師協会によってそのガイドラインは和訳されています。 ⑧
現場でも、CVPPP等を通じて、いかにして暴力に対応するかについて日々取り組みがなされています。看護師は、患者からの暴力とその対応についても十分に学ぶべきであり、実際にも多くの看護師は暴力についてどのように対応するかを学んでいるのであり、「患者から暴力をふるわれてとっさにやり返してしまった」などという言い訳は医療の現場では認められていません。看護師は症状により判断能力の低下している患者が回復できるよう、患者に対して尊厳をもって対応をすることが求められています。本件は隔離室という密室で行われた虐待と暴力と言えます。
裁判においてあのような行為が看護行為であると認められれば、「精神病棟における医療の実態は悪質であっていい」ということになり「精神疾患を持つ者への虐待と暴力を認める」ことになります。同じ精神病棟での看護に携わっている者として、患者の権利を擁護する立場から、このような暴力行為に対しては、看護行為ではありえないという適切な判断がされることを望みます。




追記:別の精神科看護師さんから下記のようなメールをいただきました(コメントや署名サイトでもたくさんの現役精神科看護師さんや他科看護師さんからコメントをいただいております、ありがとうございます)

もし粗暴な患者さんでしたら、個室であのような対応はしないと思います。
ついたてを殴る蹴るするかも知れないし、頭を打ち付ける可能性もあります。

本当に粗暴なら、拘束帯つきのベッドを入れないとダメでしょう。
弟様の場合、動画にない状況、つまりそれまでの日常も、
粗暴だったはずはないと、自分は思います。

動画にあるのは、不穏ではなくて抵抗でしょう。
腹部に膝を乗せたら苦しいに決まってるし、
頭をあれだけ蹴られたら、動けるうちは誰だって必死で抵抗すると思いますよ。
看護者2人のせいで、抵抗が激しくなったようにしか自分には思えないです。

立ち上がってわざわざ頭部の方に向かっている時点で、看護師の蹴りや踏み付けは、悪意としか思えません。





追記:上記メールをいただいた精神科看護師さん(男性)から再度メールをいただきました。


また、弟様は粗暴な状態ではないと思います。
看護師の対応が原因で、不穏状態とは言わないと思います。

更に、この病院内では、日常的に同様の事が行われていたと思います。カメラが回っているし、同僚が居るのに蹴るのですから。しかもT看護師は注意していない。

なぜおむつ姿で、しかも寝た状態で食事なのかも、よく分かりません。

弟様は噛むとか頭突きとか、そういう恐れすら無いのに(首がジストニアで硬直していたから 尚更)、
頭部を抑える必要は無いと思いますが…。

粗暴な患者さんの足が顔に来たら、その足を手などで捕って、それから押さえる
のが普通かと思います。
そうしないと、その足でまた蹴られかねないですし、
自分以外にその場にいる、もう一人の看護師が蹴られる恐れも有ります。
立ち上がったら「足を押さえててよ!」などと言われるだろう、と思います。

粗暴じゃない患者さんであると二人が知っていたからこそ、
立ち上がった後、ゆうゆう頭部に回り込めたのではないかと、私は思います。

なので私は、
「顔」に足が入ったので、わざわざ「顔」に暴行しに向かった、つまり報復と考
えています。

プロフィール

gunter75

Author:gunter75
このブログは姉である【私個人】がやっています。



●プロフ画像は、弟が薬剤性ジストニアになったあと、友人たちがリレーで色紙を書いてくださり、お見舞いの時にいただいたものです。



●医療法人 石郷岡病院を許しません!!
絶対に諦めません!!(2015/12/31現在、病院からの説明・謝罪等は一切ありません。2012/1/4以来全く接触もありません)


●事件の流れ
2012/1/1石郷岡病院の2准看護師が弟を暴行→1/2朝には病院側は異変に気づきながらも放置。診察もしていないのにも関わらずカルテに「著変なし」、1/3昼過ぎ救急搬送→1/4一時心肺停止するも蘇生→2014/4/28療養先の病院で息を引き取る→2014/4千葉県警千葉中央署捜査第一課捜査開始→2015/7/8石郷岡病院の暴行した2准看護師逮捕→2017/3/14 千葉地裁(高橋康明裁判長)は、正当な医療行為として田中氏無罪、菅原被告に罰金30万の不当判決(公訴時効成立の暴行罪)を下した→3/28検察が控訴

石郷岡事件・経緯←クリックすると経緯の記事を表示します




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