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ある精神科病院の事件2・目撃証言があった?

目撃者の証言


坂本被告の法廷での供述は、どれくらい客観的な証拠と合っていたのだろうか。実は合わない点がいくつもあった。
法廷では、事件当日の証拠写真として被害者の顔面にアザがあること、被害者と同室で、被害者の両隣のベッドにいる患者さんも殴られていた跡があったことが示された。
しかしこれらについて検察官が一切言及することはなく、むしろ弁護人が写真を提示していた。実は弁護人は、被害者の死亡原因が坂本被告の行為ではなく、ナースステーションに苦情を言いに来た患者Zの暴行であると主張していたのだ。この彼は、事件当日に警察の取り調べを受け、一連の患者たちへの暴行を自供していたのだという。


ここで弁護人が朗読した調書の内容を紹介する。これは被害者の隣にあたるベッドに寝ていて、顔を殴られて鼻血を出していたWという患者の事件当時の警察への証言である。


(質)住所と名前は言えますか?・・・・・(答)(Wさんの住所と本名)             
 今回は何がありましたか?・・・・・Xさんが死んだん?
   Xさんは何をされたのですか?・・・・・布団を被せられた。
   誰に布団を被せられたのですか?・・・・・男の人
   それはD病院の入院患者で見たことはありますか?・・・・・ある。
   Xさんはこの部屋のどこで寝ていましたか?・・・・・ 隣のベッド。 
   犯人は何人でしたか?・・・・・2人。
   そのとき部屋は暗かったですか? 明るかったですか?・・・・・ 暗かった。
   犯人はどこから入ってきましたか?・・・・・そこの扉。
   犯人は何か言っていましたか?・・・・・ 静かにしろ。
   そのとき起きていたのはXさんとWさんだけですか?・・・・・そう。
   Xさんに布団を被せたのは一人ですか二人ですか?・・・・・一人。
   Wさんは犯人を見たのですね?・・・・・はい。
   犯人はXさんの首を絞めたのですか?・・・・・布団を押さえつけた。 
   Wさんは犯人になにか言いましたか?・・・・・死にまっせ。
   死にますよと言ったのですか?・・・・・そう。
   それはXさんに布団を被せた犯人ですか?・・・・・もう一人の方。
   犯人はどうしましたか?・・・・・顔、目を殴ってきた。
   その後、犯人はどうしましたか?・・・・・そこの扉から逃げた。
   その後、WさんはXさんに話しかけましたか?・・・・・うん。
   Xさんは何か答えましたか?・・・・・布団を被ったまま。
   何か答えはありましたか?Xさんから。・・・・・ない。
   犯人を見ればわかりますか?・・・・・うん。
   暗かったと話していましたが、それでもわかりますか?・・・・・自信がない。
   D病院の入院患者さんが犯人と言えますか?・・・・・うん。
   それはなぜですか?・・・・・見たことがあるから。



この患者Wの証言能力について、事件当時、警察官の、患者Wへの事情聴取に立ち会った看護長は、以下のように証言した。

弁護人「質問の内容は、誰が考えたのですか?」
看護長「警察です」

弁護人「あなたは、Wさんの回答をそのまま警察官に伝えましたか?」
看護長「伝えています」

弁護人「事情聴取の部屋にいたのは、あなたとWさん以外は警察ですか?」
看護長「はい」

検察官「あなたはやりとりを聞いて、犯人が二人いるんだなと分かっていたんですか?」
看護長「犯人が二人いるのは、事件的に変な話だなと思いましたので、どうしてそんなこと言うのか、誰が入ってきたのかなって思ってました」

検察官「少なくとも、二人の人物が入ってきたようなことを言ってたのは聞いているのですか?」
看護長「はい、覚えてます」

裁判官「病状の程度はどのくらいのものですか?」
看護長「薬物療法で、日常生活に症状が影響を及ぼすことはほとんど無い状態です」

裁判官「コミュニケーション能力はどうですか?」
看護長「支障をきたしてません」

裁判官「この患者さんは、字を読んで理解できたんですか?」
看護長「はい」

裁判官「どうして『布団を押さえつける』という内容の記載があるんですか?」
看護長「そう発言したからじゃないんでしょうか」

裁判官「答えている時の感じで、印象に残っていることは?」
看護長「意外にしっかり色々覚えているなぁという印象を持ちました」

裁判長「知的能力自体の低下などの症状は?」
看護長「病棟生活では、特に支障きたしてなかったです」


ここで弁護人は証拠として出した、この患者Wの看護記録も読み上げた。
その内容は20件以上あるようだったが、一部を抜粋すると

・暴言を吐く患者について、「あいつ言葉の暴力や」と指摘する。
・自分の誕生日を正確に答えている。
・今日がお彼岸であることを伝えると、「墓参り行かな」という。お墓の場所を尋ねると、「奈良」と間違えずに
 回答される。
・23時過ぎに「一睡も出来ません。薬ください」と、自ら睡眠薬を希望している。
・前日嘔吐したことについて「ゲップしたら透明なのが出た」と答える。他に異常ないことも看護師に伝えている。
・事件当日「隣の人死んだんか?」と看護師に何度も確認していた。

というような日常を過ごしているようだった。



患者Wは犯人が2人であるとしている。暗かったので犯人の顔は分からないらしい。
だが、この患者Wのことを、患者Zが、このとき殴ったことを認めていると、第一発見者の看護師Aは法廷で証言した。


また、この看護師Aは22時、薬を持った坂本被告の後をつけて行く患者Zを見たと証言している。


他にも看護師Aは、22時42分に亡くなっている被害者を、最初は「扉の窓越し」に見たのだというが、坂本被告は22時過ぎの時点で、部屋を去る際の様子を以下のように法廷で述べている。

被告人「扉は開けたまま」
弁護人「どうして」
被告人「ドアのすぐ右にWさんのベッドがあって、暑がりなので、ドアを閉めると蹴るんです。外からの風が入らなくなるから」


検察官は被害者の死亡を招いた腹圧上昇を、坂本被告が被害者が「うつ伏せ」にした結果であるとしていた。
一方で、弁護人たちは、うつ伏せにしただけでは嘔吐するほどに腹圧は上がらず、だからこそ被害者は20分以上も声を出し続けることができたとする。
そこに患者Zが目撃証言にあるように「布団を押さえつけた」結果、更に腹圧が上昇して死亡に繋がったのではないか? これでも司法解剖とは矛盾しない。だから、患者Zが被害者の死亡原因である可能性がある、と主張した。

証人に立った病棟の主任看護師は、患者Zについて「何か刺激がなければ、暴力行為はない人」だが「暴行のリスクはあると考えていた」「騒いでいる患者さんに注意して、それが聞けない状況だと手が出てしまう」と述べている。
これを踏まえて弁護人は「患者Zは、被害者の大声がまさに刺激となって興奮した」と主張した。

また、患者Zの暴力歴については、別の日に若い方の弁護人が証拠を朗読していた。
この弁護士は暴力事件のあった日付と事件内容を10件以上、早口で朗読した後、「この他にもカルテ上、更に20件以上存在している」というように付け加えていたので、合計で30件以上ということになる。







D病院の内情




公判初日、2人いるうち若いほうの弁護人がD病院内の状況についての書面を読み上げた。これは坂本被告がD病院に勤務していた、1年と少しの間の病棟内の事故について、内容は以下だった。

H23/8/2  女性患者が転倒、左眼瞼に1cm×1cmの傷、頭部に10cm×7cm高さ6cmの血腫。
H23/12/25 女性患者が転倒し、左上腕骨を骨折。
H24/3/1  また別の女性患者が左上腕の脱臼。
H24/3/7  女性患者が転倒、目が開かない状態となる。
H24/5/3  女性患者が左肩脱臼、左鎖骨骨折。
H24/5/4  男性患者が他の患者に馬乗りになり殴る。
H24/6/6  男性患者が、大声を上げている患者のベッドに近付き殴ろうとした。翌日もまた殴ろうとする。
H24/9/1  Uさんがベッドから転落、死亡。

上記のような院内の患者の負傷を、早口でこれ以外にも数件述べた。実際、坂本被告は被害者の部屋に向かった際のことを説明する際に

被告人「Xさんがベッドから転落して、頭から落ちて血だらけの中で亡くなっている姿を想像してしまった」
弁護人「どうして?」
被告人「私の事件の少し前に、Uさんという患者さんがベッドから転落して頭から落ちて血だらけになって亡くなった話を聞いていたからです」

と、U氏について触れて述べている。
他にも、この若い弁護士は被害者の健康状態として証拠書面を読み上げた。それによれば、被害者は何度も転落や転落を繰り返しており、平成24年2月7日には出血の量もあり頭部を縫ったそうである。


また院内の暴力事件について、坂本被告は以下のように語っている。

坂本被告は当日の事件前、女性看護師Bと寝る前の配薬で、病棟内を回っていたらしい。

弁護人「そのときのB看護師との会話で印象に残っていることは?」
被告人「どこかの部屋で、ベッドの柵が外れて壁か何かに立てかけられていて、それを見たB看護師が危ない」と言いました」
被告人「それから、昔D病院で殺人事件があった、という話を私にしました。ベッド柵で患者さんが他の患者さんの頭を殴ったという話でした」
被告人「本当に殺人事件?と私が聞き返すと、B看護師は殺人事件だと思いますよと。ドラマで見るように白いロープが人型のようになって、扉のところには”立入禁止”の黄色いテープが逆さまに貼ってあった、というような話を聞きました」

これが上記に出てくる、D病院内での殺人事件の話である。


D病院について坂本被告は、前に勤務していた東京都立の松沢病院と比較して、

「(D病院では)患者同士の喧嘩や転倒などの事故が多いと感じていた」というように公判4日目に述べている。

続いて
「松沢病院では、事件事故があった時にできるだけ早く報告書を書いて、上の方に提出する。それから対応策を 
 病棟内の会で話しあい、その結果は病院全体に周知される」
「D病院では、そもそも看護師によって事件事故とみなす基準が違って、私から見て事件事故でも、報告されないことがあった」
「患者さんの暴力について、先輩方が報告書を書いているのを見たことはなかった」
と、弁護人からの質問に答えていく。

弁護人「転倒転落や患者さんどうしの暴力について、(D病院の)病棟の会で報告がありましたか?」
被告人「なかったと記憶しています」

弁護人「少なくとも、あなたが参加された会ではなかったと?」
被告人「はい」

弁護人「病棟の患者さんについて、松沢とD病院で違いはありましたか?」
被告人「私のいたところは、どちらも介護度の高い患者さんが多かったですが、松沢病院では歩ける患者さんが数人しかいなくて、その数人は穏やかな方でした。A病院では歩ける患者さんが20人近くいて、中には暴力をふるう人もいる状況でした」

弁護人「大声を出している患者さんへの対応で、D病院で教えてもらったことはありますか?」
被告人「消灯後は病棟の患者さんのおむつ交換を、朝までしないように教わりました」

弁護士「どうしてそれが大声対策になるんですか!」
被告人「おむつ交換で目を覚ました患者さんが騒ぎ出さないように」

弁護士「あなたはそうしていましたか?」
被告人「いえ、しませんでした」

弁護士「どうして?」
被告人「おむつ交換は5時間以上、スパンを空けるなと教わっていたから(松沢病院で?)不衛生で、感染症や褥瘡の原因になるからです」

弁護人「実際に大声を出している患者さんには?」
被告人「事前に主治医が指示を出している、不眠時薬を内服してもらって、そのまま何もせず経過を見ることになっていました」

弁護人「松沢では?」
被告人「不眠時薬内服までは同じですが、それでも大声が続けば、その患者さんを部屋から出して安全な場所に避難させることになっていました」

弁護人「どんな場所に?」
被告人「個室があれば、もちろんそこです。ない場合は、病室廊下から離れた所に避難させることになっていた」

弁護人「いまお聞きしたように、松沢病院とD病院では違いがあったようですけど、そのギャップをあなたはどう考えていましたか?」
被告人「悩みを持ちながらも、何とか看護をしていました」


このような院内の状況について、病棟の主任の証言をまとめる。

弁護人「D病院では、隔離拘束はできるだけしない方針ですか?」
主任「減らしていこうという考えでした」

弁護人「それはどうして?」
主任「患者さんの安楽とか、その人らしさから拘束は最小限のほうが治療がはかどるし、患者さんにとっても快適でしょう」

弁護人「高齢者が骨折などをすれば、歩行困難になりますよね?」
主任「そうですね」

検察官「この病棟で起こる事件や事故は多いとか少ないとか、なにか思っていましたか?」
主任「高齢者が多い病棟だったら、一般的な数でしょう。特に多いと感じたことはないです」

弁護人「その根拠は?」
主任「自分は医療安全協会の委員です、○○協会の。そこでよそと情報共有しています」

弁護人「数について一般的とおっしゃる根拠は?」
主任「正確な数は定かではないですね。大体これくらいという話は、そこでしましたけど」

弁護人「Zさんのような、歩けて他の患者さんとトラブルもある人が、なんでこの、高齢者中心の病棟に?」
主任「ドクターの判断ですね。刺激の少ないところなら大丈夫じゃないか、過ごしやすいんじゃないかという判断だと思います」

弁護人「D病院は患者さんが他の病院と比べて早期に退院する、という特徴はありますか?」
主任「早期に退院する形を目指しています」

弁護人「それが特徴になってませんか」
主任「特徴です」

裁判長「急性期が過ぎれば他の病院に転院されるとか、そういうことですか?」
主任「急性期が、社会復帰を理念として目指しているので、早く社会に返そうという考えです」


この点に関連して、坂本被告は法廷で以下のように述べている。
「車イスに(転倒予防のための)ベルトをして座っている患者Nについて、主治医から「骨折したら足腰立たなくなって、(精神科医の指示が必要な)ベルトがいらなくなるから、(老人施設とかに)退院できるようになる。ドンドン外してくれ」と言われたことがあるそうである。








坂本被告に対する判決



D病院の他の看護師たち3名は、この事件当時、個室こそなかったが、被害者を当時移動させられる安全な場所があったそれはICU脇の廊下だ、と主張する。

これに対して坂本被告は、
「当時、そういう発想が浮かばなかった」
「その近くには、心電図をとっている患者さんがいたから、そういう所に大声を上げる患者さんというのは、発想として浮かばない」
「その更に先には、精神的に不安定な方が入る個室があって差し支えるので、やはり浮かばなかった」
「ただ、点滴をしている患者さんの様子見のために、そこに患者さんを連れてくることはありました」

他の看護師たちは、今回の坂本被告の一連の行為を、証言で口々に「虐待である」「そもそも人間性がおかしい」などと強く非難したという。

これを踏まえて検察は

・人の尊厳を踏みにじる行為であること。「自分の家族がこういう目にあったらどうか、考えて欲しい」
・独善的な動機である
・患者第一の精神に欠けた人格である

などを理由として、懲役5年を求刑した。


坂本被告は有罪となる。
「被告の犯行後、他の患者の行為が、被害者の死亡に影響したかは不明だ」
「同じような事件と比べて、坂本被告の行為自体が死の危険が高い行為とは言えない。死亡の予見は困難であっただろう」
「看護師として患者の安全安楽を第一に考えなければならないのに、患者の尊厳を無視した看護師にあるまじき行為を行った。


懲役3年、執行猶予5年


裁判官が坂本被告に言い渡した判決の内容だった。




記事3・坂本氏へのインタビューへ続きます

プロフィール

gunter75

Author:gunter75
このブログは姉である【私個人】がやっています。



●プロフ画像は、弟が薬剤性ジストニアになったあと、友人たちがリレーで色紙を書いてくださり、お見舞いの時にいただいたものです。



●医療法人 石郷岡病院を許しません!!
絶対に諦めません!!(2015/12/31現在、病院からの説明・謝罪等は一切ありません。2012/1/4以来全く接触もありません)


●事件の流れ
2012/1/1石郷岡病院の2准看護師が弟を暴行→1/2朝には病院側は異変に気づきながらも放置。診察もしていないのにも関わらずカルテに「著変なし」、1/3昼過ぎ救急搬送→1/4一時心肺停止するも蘇生→2014/4/28療養先の病院で息を引き取る→2014/4千葉県警千葉中央署捜査第一課捜査開始→2015/7/8石郷岡病院の暴行した2准看護師逮捕→2017/3/14 千葉地裁(高橋康明裁判長)は、正当な医療行為として田中氏無罪、菅原被告に罰金30万の不当判決(公訴時効成立の暴行罪)を下した→3/28検察が控訴

石郷岡事件・経緯←クリックすると経緯の記事を表示します




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