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石郷岡病院事件、控訴審・傍聴した阿部市議の感想

流山市議会議員・阿部はるまさ市議が石郷岡病院事件・東京高裁における控訴審傍聴の感想を記してくださいましたので
ご紹介いたします。


今日は13時30分から、東京高等裁判所において、石郷岡病院の傷害致死事件の控訴審が開かれ、私も傍聴をしました。石郷岡病院の傷害致死事件とはどういう事件か、ご存じで無い方もいらっしゃると思いますので、最初に<石郷岡病院事件とは>として、以前に私が書いた文書を要約して掲載します。それに続いて、<本日の控訴審を傍聴して感じたこと>を記します。

<石郷岡病院事件とは>
2012年の1月1日に起きた、千葉市内の精神科、石郷岡病院における職員による患者への暴行致死事件だ。

私は、事件の発生直後に被害青年の父親や姉から相談を受け、病院側が自傷行為と主張していた青年の顔面の痣や傷の写真を見せて頂いた。また父親と一緒に、長時間にわたるビデオを見て、看護師たちがジストニアで首が固まっている被害者の頭を蹴る、首を膝で押さえつける、身体の上を歩く等の明らかな暴行の事実を確認した。私は、その後も、暴行を受けた青年の行動が弱々しくなり、衰えていく様も捉えている、長時間にわたるこのビデオを繰り返し見ている。

事件の後、患者の青年は、頸椎骨折・頸髄損傷で呼吸停止となっていたが、気管切開によって一命をとりとめていた。私も千葉署による御家族への事情聴取に同席し、その後も進まない捜査や訴訟手続きに業を煮やして小宮県議からも警察に状況説明を求めた。そうこうしているうちに、青年は体力を落として、2014年の4月に亡くなった。

事件発生から5年数ヶ月、青年の死亡の後3年経って、ようやく刑事事件としての裁判が始まったが、2017年3月14日に下された一審の判決は以下の様なものだった。

検察は「患者の人間性を踏みにじった」として懲役8年を求刑したが、判決は1人の被告を無罪とし、もう1人を罰金30万円とするという、信じられないような軽さ。

裁判長が読み上げた判決理由はまったく酷いもので、とうてい納得出来るものではなかった。罰金30万円の判決を受けた被告は、患者に腹を立てて頭を足で蹴ったには違いないが、それが頸椎骨折をもたらしたとは断定出来ないとされた。ジストニアで頸椎が癒着して固まっている患者の首を足で蹴れば骨折の可能性は否定出来ないはずだが、単なる暴行だという事で罰金30万円とされた。

では、青年の頸椎はなぜ折れたのか。裁判長は、そこでもう1人の被告の行動を取り上げ、彼が足の膝で患者の首を押さえつけたことが頸椎骨折・頸髄損傷をもたらした可能性について言及した。このことで、最初の被告の足蹴りはさらに頸椎骨折の原因としては遠ざけられた。足で蹴るのと、膝に体重をかけてジストニアの首を押さえつけるのとでは、確かに破壊力の大きさに違いはあるだろう。ところが、ところが、残ったもう1人の被告のこの行為については、裁判長は“ビデオが鮮明で無い”と言い、膝で首を押さえつけたとしても“看護目的としての抑制行為で社会的相当性がある”と言ってのけたのだ。

ひとりの被告による頭部への蹴り入れは単なる「暴行」で免罪。もう1人による膝を使って体重をかけての首の圧迫は「看護目的の抑制行為」で免罪。では、一体、なぜ青年は死んだのか。彼を死に至らしめた頸椎骨折・頸髄損傷が、この1月1日の石郷岡病院の保護室内以外で起きたので無いことは、裁判長も認めている。にも関わらず、病院も被告も、青年の死に対する責任を問われることが無い。こんな不条理が許されて良いのか。

<本日の控訴審を傍聴して感じたこと>
本日の控訴審では、検察側が証人申請した映像解析の専門家の尋問が行われた。この証人申請は、一審の判決が“ビデオが鮮明でない”としている点を、専門家によるビデオの分析によって反証し、職員の暴行の実態を明らかにしようというものであった。

私自身は、実際のビデオを何度もこの目で見ているので、職員の暴行は明らかであるというだけでなく、青年の頸椎骨折の原因はこの暴行によるものと理解している。そして本日の検察側による証人への主尋問では、映像の専門家による科学的な映像鮮明化の処理、看護師の身体、足、体重移動などについての合理的な推測などについての説明が行われて、いっそうその感を強めざるを得なかった。

ところが、病院側の弁護士は、反対尋問において、“映像は上から撮ったもので職員自身の身体に隠れて職員の足の位置や動きなどは見えないはず、そうである以上暴行の実態は明らかでない”、“証人が行った映像の輪郭の鮮明化処理や職員の身体の足の動きについての見立ては、あくまでも証人の主観の産物、推測に過ぎず、事実そのものではない”“証人は映像についての専門家ではあるにしても、人間の身体の構造や運動についての専門知識を持ってはいないはず”“過去に証人が別の裁判で提出した映像には採用されなかったものがある”等々と主張し、証人の発言の信頼性を貶めることに努めていた。

しかし、病院側弁護士の主張を頭の中で何度反芻しても、次の事実とそこから生じる疑問は消えることがない、どころかますます強まっていく。つまり、看護師たちが保護室に入ってくる前は青年の首は折れていなかった。看護師たちは青年の頭を蹴り、身体の上に足をかけて歩き、膝で頸部を押さえ付けるなどの暴行を加えた。そして看護師たちが保護室を出た後に青年の頸椎が折れていた。青年自身は一切の自傷行為を行っていない。一体なぜ青年の頸椎は折れてしまったのか。

控訴審は、私だけでなく多くの人が当然に抱くこの疑問に応えるものでなければならない。



プロフィール

石郷岡病院事件被害者家族

Author:石郷岡病院事件被害者家族
このブログは姉である【私個人】がやっています。



●プロフ画像は、弟が薬剤性ジストニアになったあと、友人たちがリレーで色紙を書いてくださり、お見舞いの時にいただいたものです。



●医療法人 石郷岡病院を許しません!!
絶対に諦めません!!(2015/12/31現在、病院からの説明・謝罪等は一切ありません。2012/1/4以来全く接触もありません)


●事件の流れ
2012/1/1石郷岡病院の2准看護師が弟を暴行→1/2朝には病院側は異変に気づきながらも放置。診察もしていないのにも関わらずカルテに「著変なし」、1/3昼過ぎ救急搬送→1/4一時心肺停止するも蘇生→2014/4/28療養先の病院で息を引き取る→2014/4千葉県警千葉中央署捜査第一課捜査開始→2015/7/8千葉市にある医療法人・石郷岡病院(石郷岡純 理事長)の2准看護師逮捕→2017/3/14 千葉地裁(高橋康明裁判長)は、正当業務行為だったとして田中被告無罪、菅原被告に暴行罪として、罰金30万の不当判決(公訴時効成立の暴行罪)を下した→2017/3/28検察が控訴→2018/3/9東京高裁にて控訴審(栃木力裁判長)の公判が始まる→2018/11/21不当判決(一審判決支持)

石郷岡事件・経緯←クリックすると経緯の記事を表示します




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